プレスリリース
退去防止のための入居者サービス考案
「分譲マンション並みの賃貸マンションをつくりたい」熱い思いを旨に北の大地で奮闘する社長がいる。エスクローリアルエステート(北海道札幌市)の柳澤宏氏だ。常識破りのハイグレードマンションにかける思いと、ユニークな運営術を取材した。
●「分譲並みの賃貸を」思いを旨に独立
 高級感を漂わせる厚紙の表紙をめくると、プロの手によるものと思われる美しい内装写真の数々が並んでいる。周辺環境・施設・交通アクセスなどの解説も付されている。新築分譲マンションのようだが、れっきとした賃貸マンションのパンフレットだ。
開発を手がけたのはエスクローリアルエステート。分譲・賃貸マンションの企画開発、不動産仲介、不動産証券化のコンサルティングなどを手がけている。札幌市内に供給された不動産ファンド・リートが運用するマンションの主要な開発事業者の一社だ。2001年の設立以来、合計1000戸超の賃貸マンションを供給してきた。
「分譲と賃貸のグレードの差は著しい。買うか、借りるか、のところで天秤にかけて選ばれるような賃貸マンションをつくりたい」
目指すは分譲仕様の賃貸マンション。世に言う「積極賃貸派」のニーズに応える、「ずっと住み続けられる賃貸物件」が目標。設備・仕様面も分譲マンションと同様の手法を取り入れている。キッチンをはじめとした水周り設備はメーカーと共同開発したオリジナル製品を設置。寸法からして既製品にはないサイズを採用している。
「分譲マンションの場合、各物件でオリジナル設備を入れるのは当然のこと。寸法もあえて規格外のものにすることが多い。差別化をはかり、グレードアップを図るためだ」
柳澤宏社長が住友不動産出身と聞けば、分譲マンション企画のいろはを知り尽くしているのも合点がいく。東京の下町で育った柳澤社長は、大学卒業後住友不動産に入社後、北海道に配属された。土地の仕入れから企画、工事発注、販売の仕組みまでを一人で取り仕切る縦割り体制が柳澤社長を成長させた。その後、独立。かねてから抱いていた「賃貸マンションはなぜグレードが低いのか」という思いを胸に、開発事業をスタートした。
おりしも札幌はファンドブームに沸いていた。同社は立て続けに開発案件を手がけ、不動産ファンド・リートに売却。2LDK、50u、9万円前後の賃料という、地元札幌の相場よりも高めの賃料設定のハイグレード賃貸マンションを次々と開発した。

●PM受託強化 稼働率96%を維持<
 ファンドブームがひと段落した今、同社はプロパティマネジメントの強化に乗り出している。「売りきりではその後うまく稼動していない物件もある。どう運営するかも重要」と気づいたからだ。
現在、中高層のRC造、地下鉄から徒歩10分以内の立地の物件を対象に7棟313戸のPMを手がけている。不況のさなか、入居者獲得が難しいはずの高級賃貸マンションで稼働率96%を維持しているというから驚きだ。
「当社がターゲットにしている層は昨今の景気悪化の影響が少ない。バブル崩壊、北海道拓殖銀行の破綻を経て、すでに大手企業の札幌における支店の統廃合は充分に進んでいる。そういった意味で、他の都市よりも法人需要の影響は軽微だ」という。
法人需要の取り込みは、社宅管理代行会社と連携するほか、法人への直接営業によって行っている。しかしやはり、賃貸仲介会社を介してのリーシングの割合が高い。現在、同社管理物件の約6割が仲介会社経由のものだ。
大手仲介会社強い影響力を持つ札幌では、仲介会社をいかにして客づけしてもらうかも課題のひとつ。そのために同社が活用しているのが、入居者募集ツールだ。
冒頭のパンフレットもそのひとつ。「通常の賃貸物件はファックス1枚で情報がやりとりされる。これでは物件の魅力を伝え切れない」ためだ。各棟ごとの専用ホームページを立ち上げるほか、モデルルームを開催することも多い。
「何も置いていない部屋では、具体的に自分が住むイメージを思い浮かべにくい。分譲は購入時に家具を買い揃える人が多いが、賃貸は通常、今使用している家具を持ち込む。なのになぜ、他の賃貸物件は家具を置いて部屋を見せないのだろうか」

●攻めの管理で目指す入居期間の長期化
入居者募集と並んで今同社が取り組んでいるのは「入居者が動かないための営業」だ。インターネット利用料無料、入居者専用ホームページを立ち上げるなど、入居者サービスを充実させることで、入居期間の長期化を目指す。
「理想を言えば、広告料よりもサービスに資金を投じたい。そのために、自社で直接入居者募集を行い、退去防止策を講じている」
物件近隣の飲食店などに入居者向け割引サービスの実施を提案するなど、足を使ってサービス網の拡大を図る。
入居時には、ウェルカムシャンパンにメッセージカードを添えてプレゼントする。「ちょっとやりすぎかな」と柳澤社長が照れ笑いするが、「退去のときに『物件を出ることにした』と連絡が入るのと、『出ようと思う』と言われるかで次に打てる手も変わってくる。それには、日々のコミュニケーションを密にとる攻めの管理が必要」と入居者との接点を持つことの重要性を持つことの重要性を説く。
新規入居者には、マンション建築時に作成した建築パース入りのはがきもプレゼントする。物件のパースが描かれたはがきは、自分の新しい住まいを伝える転居の知らせにうってつけだ。さらに、将来的には「入居者イベントも企画したい」と意見を見せる。
今後の札幌市内の入居需要について、「数年は新規供給物件が少ないので、当面は安定稼動するだろう」と柳澤社長は予想するが、北海道は空室率の上昇が深刻化している。ハード、ソフトの両面から賃貸住宅の質を高め稼働率を維持しようとする柳澤社長の真価が試されるのはこれからだ。

ほっかいどう 新企業ファイル 144
●入居ほぼ満杯
 ブランドのキッチンやユニットバスを備えた高級賃貸マンションを不動産ファンド向けに札幌市内で販売する。ここ数年来の建設ラッシュで賃貸物件の供給過剰が指摘される中でも、これまで建設した九棟(計四百九十五戸)は100%近い入居率を誇る。高収入の単身者や本州企業の転勤族など分譲物件並みの上質感を求める層を確実につかんでいる。
 住友不動産出身の柳沢宏社長が三十二歳の時に独立、起業したのが二〇〇一年。賃貸マンションの企画や仲介などで会社の基盤を固め、〇七年から野村不動産レジデンシャル投資法人(東京)などのファンドへ一棟売りする事業を本格化させた。

●本年度は4棟
 「家賃は高めでもハイグレードな賃貸物件を求める層は確実にいる」(柳沢社長)として、人気の高い札幌市中央区を軸に開発を進めた高級賃貸物件は、建材から化粧台のブランドまで約四百項目の基準を設定する徹底ぶりだ。用地取得から建設、入居者集めに加え、完成後の管理運営まで担う。
 新興企業ながら大手の野村不動産などと大口取引が可能なのは、高級賃貸物件の収益性を認められたことに加え、柳沢社長が首都圏で培ってきた人脈によるところが大きい。本年度は西区や白石区などで計四棟(百三十三戸)の建設を進める。
夫婦世帯向けの2LDKを主体にし、中央区以外にも対象地域を広げると同時に、入居層の拡大も図っている。
 ただ、米国に端を発する金融不況で国内の不動産業界には逆風が吹き荒れ、投資ファンド向けに一棟売りしてきた同社も影響は避けられない。これに対して、柳沢社長は「来年秋もしくは再来年春までこうした状況が続く」と冷静に分析。既存賃貸物件の管理運営を請け負うプロパティマネジメントや、中古物件を数件まとめた上で私募ファンドなどへ仲介する事業などに注力する方針だ。
 百九十万人近い人口を擁する札幌では、景気低迷が続いても一定の不動産需要が見込める、とするのがマーケットの見方。柳沢社長は「好不況の波が激しい首都圏よりもブレが少なく確実に収益が見込める地域」と見ており、今後も札幌を中心に事業を拡大させる考えだ。

マンションで排出権を購入
環境保全に貢献
 不動産開発のエスクローリアルエステート(札幌)は、所有する札幌市南区澄川の賃貸マンションで放出する二酸化炭素(CO2)を相殺するため排出権を購入する。北海道洞爺湖サミット開催を機に環境保全に貢献するとともに、入居者に排出抑制を促す狙いもある。
対象のマンションは六階建てて三、四LDK全体に全二十九戸。同社の試算によると、エレベーターなどの共有部分や各部屋などから発生する建物全体の年間CO2排出量は約百トン。このうち6%の約六トンを購入する。
 マンション業界でこうした取り組みは珍しい。柳沢宏社長は「排出権取得で発行される証明書をロビーに掲示することで、入居者の環境に対する意識が高まるきっかけになれば」と期待する。
同社は不動産投資ファンド向けに賃貸物件を一棟売りする事業が主体だが、今後はこれらをCO2排出量が比較的少ないオール電化にする方針。
「常識」破り需要つかむ

十年来の札幌分譲マンションブームの火付け役となり、しゃれた建物が並ぶ中央区の円山裏参道地区。ここに昨秋、一棟の高級マンションが完成した。間口の広い玄関、ブランドのシステムキッチンやユニットバスを備えた部屋に上質感が漂う。
  だが、このマンションの最大の特徴は外観からはまるで分からない。「これは分譲ではなく、賃貸マンションなんですよ」。マンションを開発したエスクローリアルエステート(札幌)の柳沢宏社長は、完成したばかりの建物の隅々をチェックしながら、そう力を込めた。

●業界の話題に
「高級マンションは分譲」-それが業界の常識だ。一生に一度の買い物である分譲物件とは異なり、入居者の入れ替わりが激しい賃貸物件は1ランク落ちる建物でもたいていの借り手は納得するし、家賃も抑えられる。
  柳沢さんはその「常識」に挑戦した。「家賃は高めでもハイグレードな物件に住みたいという層は、札幌に少なからずいるはずだ」。起業から七年、会社員時代から蓄えたノウハウと綿密な計画の下で「高級賃貸マンション」という道内では珍しい分野に打ってでた。
  二〇〇七年度だけで中央区を中心に計九棟(四百九十五戸)建設。収益性を見込んだ野村不動産レジデンシャル投資法人などが、不動産投資信託(J-REIT)用物件として九棟すべてを買い取り、一躍業界の話題をさらった。
  そんな柳沢さんだが、望んでマンション開発に身を投じたわけではない。東京生まれで、慶応大卒。住友不動産に入社したのは「ショッピングセンターやテーマパークづくりを通して、まちづくりを手掛けたかった」からだし、地方への転勤がないと聞いたからだった。

●売れ筋を独学
  ところが会社に入ってみると、所任地は札幌、担当はマンション販売、と完全に当てが外れてしまう。辞めようかどうしようか考えているうちに、バブル期に売れ残った宮の森の高級マンションの販売を任された。
  いわゆる「億ション」なのに、周辺の道路はベンツも通れないほど狭いという、首を傾げたくなる立地。モデルルームにはお客が週に一人来るか来ないか、というのも当然だった。
  だが入社一年目で逆境に放り込まれた柳沢さんは、不思議なことに「好きこそものの上手なれではなく、僕の場合は『上手になれば好きになる』だ」と実感していく。「週に一人」の貴重な客を逃がさぬよう、ひたすら話に耳を傾け、相づちを打ち、丁寧な礼状を出す。客が来ないほとんどの時間は買いあさった本でマーケティングの勉強に費やした。
  どんな物件が売れるのか、いかにして売るのか。「あの独学の一年間がなかったら今の自分はなかった」。入社2年目はマンション建設地周辺の住民交渉、三年目には用地買収も任され、社内で一気に頭角を現した。
  二十歳代後半には「自分は日本一の不動産屋だ」と思うほどの自信をつけたが、ある時、知人に勧められて出席した異業種交流会で若手経営者たちに出会い、考えを改めた。「サラリーマンとして狭い世界で一番になって何になる」。三十二歳で起業に踏み切った。

●対応 分譲並み
  紆余曲折を経て、自分の原点であるマンション開発を見つめ直した時、以前から気になっていた「賃貸」「高級」という、従来相入れなかった言葉を結び付けていた。
  業者側は「賃貸物件はこの程度」と思い込んでいるが、借りる側の人の中には、こだわりの物件を探している人もいるはず。そこに分譲並みの物件があれば、十分受け皿になる。
 そのために、仲介業者を通した募集をせず、賃貸ではほとんど例のないモデルルームと入居者向け案内センターを開設。担当者がパンフレットで細かい点まで説明するなど分譲と変わらない顧客対応を目指した。
 ここ数年の建設ラッシュで札幌の賃貸マンションはだぶつき気味。わざわざ家賃の高い物件の借り手などいるのか。業界の一部にある冷ややかな視線を、「マーケットが悪いときこそ、プロの腕のみせどころでしょう」と切り返す。柳沢さんの見立て通り、昨秋完成した高級賃貸マンション第一号はまもなく満室になるという。

REIT向け賃貸マンション
モデルルーム設置
【札幌】不動産投資信託(REIT)向けの賃貸マンション開発・管理を手掛けるエスクローリアルエステート(札幌市、柳沢宏社長)は、分譲マンション並みのきめ細かな営業やサービスに乗り出す。完成前にモデルルームを設けるほか、入居者向け特典も拡充する。札幌のマンション市場に供給過剰感が出る中、稼働率を上げ、REITの利回りを確保する。
 同社は現在、野村不動産系REIT向けなど札幌で九棟(計約五百戸)を建設中。完成後にREITに引き渡す。あわせて賃貸業務などの管理も受託している。柳沢社長は「賃貸は従来は回転率勝負だったが、優良な借り手を安定確保する運用の発想での営業が必要」とみる。
 第一弾として円山地区に完成間近のマンション内に賃貸では珍しいモデルルームを開設した。さらにタクシー会社、家具メーカー、リサイクル会社などと提携し、タクシー運賃割引のほか、間取りにあった家具の製作、引っ越し時の不用品買い取りなど、入居者サービスを充実させる。
 来月には大通地区に九棟すべての情報を提供する総合ギャラリーも開き、専属の営業マンを配置する。賃料は平均的な物件より一割程度高くなるが、「付帯サービスを勘案すれば割高ではない」(柳沢社長)という。
(2007/08/13 Mon.) 全国賃貸住宅新聞 掲載
9月に高級賃貸のモデルルームをオープン
北海道で高級賃貸を開発
不動産開発・企画を行うエスクローリアルエステート(北海道札幌市)ではハイグレードに特化した賃貸マンション第一弾を9月に「New City Residence 円山裏参道」を竣工。同月棟内モデルルームを公開させる。
同社は高級賃貸物件に絞った物件を開発。設備等物件そのものの仕様を分譲にしており、セキュリティや高速インターネットの充実はもちろんのこと、入居者が快適、便利に住める生活ソフト面にも配慮する。
集客方法としてはモデルルームのオープンと共にコンセプトブックを発行し、中〜高所得層に向けてライフスタイルそのものを提案していく。また、WEBサイトを構築し、ネット上で物件をPR,動画配信も行う。来春にはさらに8棟、495戸の竣工予定。
高級賃貸マンションシリーズが仕掛ける業界注目の営業手法
人気の高いエリアに絞って建設中
不動産企画・開発のエスクローリアルエステート(本社・札幌、柳沢宏社長)が手がけるハイグレードマンションシリーズがこの9月、札幌市の円山地区裏参道に竣工する。
エスクローリアルエステートが手がける「ニューシティレジデンス」と「プライムアーバン」は、従来の賃貸物件のレベルから仕様、サービスともに大きくグレードアップさせた高級賃貸マンションシリーズ。
「長期間住み続けたくなるような高付加価値の賃貸物件」を開発コンセプトに、警備会社と連携した24時間対応のセキュリティサービスや無料で使える光ファイバーサービス、高級感あるバス・キッチンなど、設備・仕様を分譲マンションレベルに高めたことが大きな特徴だ。
さらに同社では、賃貸物件では珍しい家具、小物までをコーディネートしたモデルルームの解説に始まり、物件別WEBサイトやパンフレットの製作、さらには物件ごとの営業担当者配置による責任あるフォロー体制など、分譲マンション並みの営業手法を通じて物件の魅力をダイレクトに訴求する工夫を採用。他物件との差別化を図る。
道内賃貸不動産業界にとっては、これまで道内では数の少なかった高級賃貸物件が、来年3月までに一挙に9棟、計495戸が供給されるばかりではなく、従来の物件仲介営業手法を超えた特徴ある訴求方法も気になるところとなっている。
柳沢社長は、「入居者がこれまで、賃貸だからといって諦めていた設備やサービス面を大きく充実させ、安心、満足度を高めたい」と長期間の契約につなげる狙いだ。
分譲並み営業展開 入居者特典など
REIT向け賃貸マンション
不動産投資信託(REIT)向けの賃貸マンション開発・管理を手掛けるエスクローリアルエステート(札幌市、柳沢宏社長)は、分譲マンション並みのきめ細かな営業やサービスに乗り出す。完成前にモデルルームを設けるほか、入居者向け特典も拡充する。札幌の賃貸マンション市場に供給過剰感が出る中、稼働率を上げ、REITの利回りを確保する狙いだ。
同社は現在、野村不動産系REIT向けなど札幌で九棟(計約五百戸)を建設中。完成後にREITに引き渡す。合わせて賃貸業務などの管理も受託している。柳沢社長は「賃貸は従来は回転率勝負だったが、優良な借り手を安定確保する運用の発送での営業が必要」とみる。
第一弾として円山地区に完成間近のマンション内に賃貸では珍しいモデルルームを解説した。さらにタクシー会社、家具メーカー、リサイクル会社など提携し、タクシー運賃割引のほか、間取りにあった家具の製作、引っ越し時の不用品買い取りなど、入居者サービスを充実させる。
来月には大通地区に九棟すべての情報を提供する総合ギャラリーも開き、専属の営業マンを配置する。
賃料は平均的な物件より一割程度高くなるが、「付帯サービスを勘案すれば割高ではない」(柳沢社長)という。単身者向けの住戸が多く、企業の借り上げ社宅需要などを見込む。
(2007/08/09 Thu.) 北海道新聞 掲載
高級賃貸物件 集客も自社で
エスクローが案内所
不動産開発のエスクローリアルエステート(札幌)は九月上旬にも、自社開発した高級賃貸マンションの入居者向け案内センターを開設する。従来は仲介業者を通した募集だが、高級志向の入居者を取り込むためには担当者がじっくり説明することが必要と判断。モデルルーム設置やパンフレット作製など、分譲並みの集客作戦を展開する。
札幌市中央区大通西一四に開く案内センター「エスクローアパートメントギャラリー」は広さ約百平方メートルで、担当者五人が常駐。モデルルームへの案内や入居受け付けを一括して手がける。
エスクロー社は中央区を中心に賃貸物件を来春までに計九棟(四百九十五戸)建設する計画。不動産投資信託(REIT)用に野村不動産レジデンシャルなどに売却、管理業務の委託を平均相場より一割ほど高く設定するため、きめ細かな集客方法で差別化を図る。柳沢宏社長は「札幌ではファンドやREITの動きが鈍ってきたが、今後も一定の需要は見込める。高級路線を徹底し、その受け皿となりたい」と話している。
財界さっぽろ 6月号 掲載
札幌でファンド専用のマンション
地場企業が九棟、約60億円で売却予定
札幌の不動産会社・エスクローリアルエステート(柳澤宏社長)がファンド向けに仕様を統一した高級賃貸マンションのOEM供給を始め、業界の注目を浴びている。
首都圏からあふれた不動産ファンドマネージャーが札幌にも流入しているが、マンションの場合は、各デベロッパーが開発したさまざまなファンドに打診し、一棟ごと売り抜けるのが典型的なパターン。ところが、エスクローリアルエステートが始めた事業は"初手"から違う。まず事前に不動産投資信託(リート)と協議し、間取などの仕様を細かく取り決める。売却先リートだけの専用スペックを確立するわけだ。その後は用地買収から入居者募集、管理まで一貫して請け負う仕組み。いわば、賃貸マンションのOEM提供と言える。さらに高級路線に特化。間取や調度品がハイグレードなだけではない。モデルルームを設け、物件専門の営業マンを配置するなど、分譲マンションなみの入居者募集を展開する。柳沢社長は「首都圏同様、札幌でも今後、ハイグレード・ハイスペックの賃貸マンションの需要は高まる」と先を読む。
 また、統一された高級仕様なので上場しているリーと側としては、ブランド感を投資家にも広くアピールでき、明確な差別化を図る意味にもなるだろう。すでに大手リート二社(野村不動産レジデンシャル、ニューシテイ・レジデンス)と話がまとまっており、今秋の円山地区の物件を皮切りに計9棟、総戸数495戸の竣工がよていされている。売却総額は60億円強になる模様。
(2007/05/28 Mon.) 全国賃貸住宅新聞 掲載
果たしてこのまま続くのか?札幌最新不動産ファンド事情
札幌不動産市場浮上のカギ
伸びない投資額 福岡の4分の1
大都市圏での地価高騰を背景に、札幌など地方都市への不動産ファンドによる投資額が着実に伸びています。東京では物件の取得額が高すぎ高利回りが確保できないことを、リート(不動産投資信託)やファンドが嫌っているためです。資金流入が続く地方都市の中でも札幌は賃料が乱高下する可能性が低く、ファンドが求める「安定」を提供できる点が人気です。主な投資元が短期保有と転売が目的の私募ファンドから、長期保有を前提とするリートにシフトしてきたことも好材料です。ただ、投資資金の誘致において他都市に出遅れているのも確かです。昨年末で総額414億円と人口で勝る福岡の4分の1しかありません。また、昨年は埼玉県や神戸市などにも抜かれました。本州や海外の投資家の資金をなんとか誘致しようと、通常の利回りに2%程度上乗せする「北海道プレミアム」などをサービスしている場合もあります。
地域性いかして投資誘致した倶知安
 否定的な話をしましたが、札幌の不動産市場の浮上は十分に可能です。そのヒントは倶知安にあります。オーストラリアを中心に海外からの観光客の急増が話題になっているこの町は「南半球と季節が反対で雪質がいいスキー場」とニセコが人気になり、2006年度には人口1万6000人余りの町に約1万4500人もの外国人観光客が訪れました(同町調べ)。滞在期間が長い外国人観光客向けのコンドミニアムに海外不動産ファンドによる投資ブームが起きています。倶知安のようなリゾート物件は、これまで主な投資対象だったオフィスビル・賃貸住宅・商業施設の「3点セット」とは異なります。これは、「複合型ファンド」が増え、投資先が多様化したためです。札幌の不動産市場を活性化させるに大事なのは、複合型ファンドのニーズを理解することです。ニセコは地域の長所を生かし成功したい例です。将来の需要増が予想される分野、例えば高齢者向け住宅やヘルスケアなど他都市と差別化した収益物件を提供できるかがカギになります。
成長続く市場規模は15兆円
札幌が努力さえすれば投資を呼び込めると考える根拠は、不動産ファンド全体の市場規模が拡大していることです。現在J−REIT(不動産投資信託)と私募ファンドを合わせた市場規模は12兆円(住友信託基礎研究所調べ)です。海外からの投資を含めると日本にあるファンドの資金は焼く15兆円と言われています。オーストラリアやEURO圏の経済が成長を続けていて、これからも国内不動産への資金流入は進むでしょう。
 ファンドにとって魅力ある収益物件を提供するほか、コンプライアンス(法律順守)をしっかり守り、情報開示など事業の透明性を高める必要もあります。
(2007/05/07 Mon.) 全国賃貸住宅新聞 掲載
ファンド向け高品質物件を開発
  不動産開発・企画を行うエスクローリアルエステート(北海道札幌市)はハイグレードに特化した賃貸マンションを開発。上場ファンドである野村不動産レジデンシャル投資法人ならびにニューシティレジデンス投資法人に総戸数495戸の物件を供給する。
近年札幌では賃貸マンション開発は低金利を背景に拡大傾向にあり、不動産ファンド物件取得意欲はあるものの供給過剰な状態にある。そうした中、同社では、首都圏の経済成長効果が札幌にも普及し、今後の道内経済における中心的役割が増大すると考え、従来とは異なるスペック・コンセプトの賃貸マンションを開発し、入居者満足度を高め安定的な収益の確保を目指す。今回供給を開始するのは、経済成長による高所得者層が札幌に流れてくるとの予想からグレードの高い賃貸マンションに特化。事業展開の第一ステップとして、野村不動産レジデンシャル投資法人ならびにニューシティ・レジデンス投資法人のブランドとして9月の円山裏参道の36戸の物件を皮切りに来春には8棟、計459戸の完成を予想している。ネット利回りは6%となっている。
上記2法人は道内では初のシリーズ化されたハイグレード賃貸マンションの展開となる。ハード面は分譲マンションと同等のスペックとしてオリジナルのキッチンやレンジフード、洗面化粧台を開発。建具も特注することで部屋を広く見せる工夫を行っている。
「賃貸住宅では既製品を利用することで分譲マンションのグレードと差がありましたが、シリーズで多くの戸数を供給することで、オリジナル商品の発注が可能になりました」(柳澤宏社長)
  また、ソフトとしては高速インターネットを無料化、クリーニングサービス、セキュリティ、管理人の常駐(常駐で無い場合あり)等のサービスを展開していく。入居募集に関しては高所得者層へアピールできる資料として物件ごとのホームページ、パンフレットの作成を行う。また、モデルルームも随時オープンしていく予定だ。
今後同社では他の投資法人とも協力体制をとり、多種多様なコンセプトで物件を開発していきたいと考え。年間最大で1,000戸の物件を開発していく計画だ。
 
(2007/04/25 Wed.) 日経産業新聞 掲載
REIT向けマンション
共同で仕様決定 建設・管理を請け負い
 【札幌】マンション企画・開発のエスクローリアルエステート(札幌市、柳沢宏社長)は札幌市内で不動産投資信託(REIT)を売却先にした賃貸マンション開発を始めた。間取り、調度品など建物の仕様を事前にREITと取り決めたうえで用地買収から建設、賃貸管理まで一貫して請け負う。OEM(相手先ブランドによる生産)供給で、こうした手法は道内では珍しい。
 エスクローリアルは第一弾としてREITの野村不動産レジデンシャル投資法人とニューシティ・レジデンス投資法人向けに札幌中心部で計九棟の開発に着手した。来年三月までに完成する予定で、売却額は計六十億円程度の見込みだ。
 REITの道内投資は、首都圏に比べれば地価が安く比較的高い利回りが期待できるため拡大している。ただ道内の既存の賃貸マンションには、高い賃料や入居者を確保しやすい高級仕様のものが少なく、投資先物件が不足しつつある。
 エスクローリアルエステートは住友不動産出身の柳沢社長が2001年に設立。これまではコンサルティング業務が主で、07年4月期の売り上げ高は一億四千万円程度の見込み。
(2007/04/18 Wed.) 北海道新聞 掲載
高級賃貸マンション 来春までに9棟建設
札幌の業者 ファンド売却向け
 不動産開発のエスクローリアルエステート(札幌)は、キッチンやユニットバスにオリジナル商品を配置するなど分譲マンション並みの品質の賃貸マンションを来春までに、9棟(計495戸)建設する。高級志向の独身者や二人世帯をターゲットにしており、不動産投資信託(J−REIT)としてファンドに一棟売りする。総事業費は50億−60億円を見込んでいる。
 建設地は円山など中央区がメーンで、既に2棟を着工。8−15階建てで、広さは1LDKと2LDK。7棟を野村不動産レジデンシャル投資法人、2棟を外資系のニューシティ・レジデンス投資法人へ売却する。野村不動産の7棟は同社が首都圏でシリーズ化している「プライムアーバン」のブランド名で展開する。
 エスクロー社は今回の開発に向け、企画段階で両ファンドの要望を取り入れながら建材から化粧台のブランドまで、高級賃貸マンション建設にかかわる約400項目の基準を設定した。賃貸には珍しいモデルルームをおく他、物件の説明に力を入れるため入居仲介業務も同時に1本化。管理業務も担うことでソフト面のサービスを充実させる。
 同社の柳澤宏社長は「ファンドからの注文型の賃貸マンションは道内では初めてでは。今後は首都圏と同様に札幌でもハイグレード賃貸マンションのニーズは高まっていく」と話している。
(2007/04/18 Wed.) 日本経済新聞 掲載
賃貸マンション REIT仕様で開発
エスクローリアル 札幌でまず9棟
 マンション企画・開発のエスクローリアルエステート(札幌市、柳澤宏社長)は札幌市内で不動産投資信託(REIT)を売却先にした賃貸マンション開発を始めた。間取り、調度品など建物の仕様を事前にREITと取り決めたうえで用地買収から建設、賃貸管理まで一貫して請け負う。いわばOEM(相手先ブランドによる生産)供給で、こうした手法は道内では珍しい。
 REITは投資家から集めた資金でビル、マンションなどを取得し、賃貸や転売による収入を配当として投資家に分配する仕組み。
 エスクローリアルは第一弾としてREITの野村不動産レジデンシャル投資法人とニューシティ・レジデンス投資法人向けに札幌中心部で計9棟の開発に着手した。来年3月までに完成する予定で、売却額は計60億円程度の見込みだ。
 REITの道内投資は、首都圏に比べれば地価が安く比較的高い利回りが期待できるため拡大している。ただ道内の既存の賃貸マンションには、高い賃料や入居者を確保しやすい高級仕様のものが少なく、投資先物件が不足しつつある。
 エスクローリアルはREITの要望を受け新築物件を供給することで、開発リスクを回避。一方、REIT側は建物の仕様統一でブランドイメージを確立できる。
 賃貸募集も分譲マンション並みに展開する。モデルルームや物件ごとにホームページなどで、完成前から入居者を囲い込む戦略だ。
 エスクローリアルは住友不動産出身の柳澤社長が2001年に設立。これまではコンサルティング業務が主で、07年4月期の売上高は1億4千万円程度の見込み。
(2007/04/14 Sat.) 北海道建設新聞 掲載
売買契約を締結
野村不動産レジデンシャル投資法人 プライムアーバンシリーズ5棟
 野村不動産レジデンシャル投資法人(本社・東京)は13日、エスクローリアルエステート(同・札幌、柳澤宏社長)の仲介プロデュースで札幌市内に建設予定の賃貸マンション「プライムアーバン」シリーズ5棟の売買契約を締結した、と発表した。
 物件は来年2月から3月にかけて完成する賃貸マンションで、売り主は「仮称プライムアーバン北24条」がエスクローリアルエステートほかの4棟は久末弘信建設。
 設計は「仮称プライムアーバン北24条」が類似企画設計、他4棟はプレゼンスで、施工はすべて久末弘信建設が担当。エスクローリアルエステートは、自社物件を除く4棟の売買契約を仲介した。
 取得予定資産の概要は次の通り。(@規模A戸数B建設C完成予定)
▽仮称プライムアーバン北大前=@RC造、10階、延べ2408m2A60戸B札幌市東区北11東1の9の24C08年2月
▽仮称プライムアーバン北24条=@RC造、10階、延べ2260m2A36戸B札幌市東区北23東1の304の60C08年2月
▽仮称プライムアーバン大通東=@RC造、10階、延べ1896m2A36戸B札幌市中央区大通東7の12の63C08年2月
▽仮称プライムアーバン知事公館=@RC造、10階、延べ1479m2A42戸B札幌市中央区北4西17の1の12C08年2月
▽仮称プライムアーバン大通南=@RC造、15階、延べ2814m2A58戸B札幌市中央区南4西13の1325の11C08年3月
エスクローリアルエステートが贈る札幌の新・ハイグレード賃貸マンション